『御家の狗』読了

岳宏一郎 講談社講談社文庫) 316ページ 648円+税
 戦国末期から江戸時代初期、徳川家臣団に纏わる3編の連作短編集。大久保長安本多正信本多正純を主人公として、個々の人生を描きながら、大久保一門と本多親子の権力に魅入られ相対しながら破滅する様が見事なまでに描かれています。中でも正純の物語は、福島正則を唯一の友のように思う正純という今だかつてない設定で描かれておりながら、物語が破綻していないのが驚きでした。
 この書籍は2001年7月に毎日新聞社より刊行されたものの文庫化です。
 2005年7月15日第1刷発行 ISBN:4062751321