桐野作人 PHP研究所(PHP文庫) 521ページ 895円+税
戦国時代、九州の雄・島津義久の生涯。義弘の影に埋もれながらも当主として島津家のために尽力、しかし歴史的には抹殺されているかのような彼の生き様が丁寧に見事に描かれておりました。九州統一戦から秀吉の仕置きまでの流れで、兵達の暴発していく様や現状認識の甘さなどが、まるで旧日本軍のイメージに被さってみえました。他の九州大名視点の書籍は読んだ事があったのですが、島津家視点の書籍はあまり無かったので非常に新鮮な印象を受けました。こうなると島津維新の小説が読みたくなりますなあ。『島津奔る』という作品がありますが、あれは・・・。
2005年7月19日第1版第1刷 ISBN:4569664199