『小説家が読むドストエフスキー』読了

加賀乙彦 集英社集英社新書) 217ページ 680円+税
 ドストエフスキーの代表的書籍を小説家の観点から読み解く書。それに宗教的(著者はカトリック)見地も加わっているのですが、あまりにカトリック擁護が顕著すぎて、むしろドストエフスキーに同意してしまいたくなるのがなんとも。
 講義内容を文章化した作品であり、題材として『死の家の記録』『罪と罰』『白痴』『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』と著名作を主に取り上げている事も相俟って非常に読み易いものに仕上がっています。他の書籍や、批評本も網羅しておくと更に良いかと。私的には『虐げられた人々』が全く取り上げられていなかったのは残念ですが・・・殺人がないからか? 
 プロットや人間描写など小説を書く(書いている)人は参考にできるやもしれません。
 ちなみに、作品は短編集と、探しているが見つけられない『未成年』以外(古本は好きではないので・・・)は読んでいるはずです。批評本は数が多いので数冊。
 2006年1月22日第1刷発行 ISBN:4087203255