『現代ドイツ―統一後の知的軌跡―』読了

三島憲一 岩波書店岩波新書) 258ページ 780円+税
 W杯にあやかって読み始めた訳ではありませんが、現代ドイツの抱える諸問題を東西統一から後のドイツ全体の流れと特定の分野に偏らない幅広い知識人の思想変遷を記した書。日本に似ているお国柄とは思っとりましたが、統一後の動きや右傾化する様など、更に近い印象を受けました。まあ、ネオナチのような過激な行動は日本ではまだ起こりそうもありませんけどね。逆にEU参加など近隣諸国との協調関係だけは大きく異なり、この点では同じ島国のイギリスっぽかったりして、島国故の独立不羈か、傲慢さなのか。前半は政治や民衆の動きに重点を置き、後半はEUに関する事項と知識人による現代思想が多く語られておりました。
 2006年2月21日 第1刷発行 ISBN:4004309948