『美しい国へ』読了

安倍晋三 文藝春秋(文春新書) 232ページ 730円+税
 次期総裁が半ば確定しているような安倍晋三内閣官房長官による書。政治家の家系に生まれ、その若い頃から現在までの政策に関する思いを記した自画自賛本にして、アメリカ最高! の書。ただ、思っていた程、中国、韓国に対してトゲはなく、バランス感覚を持った政治家でもあるようでした。
 ただし、都合の良い、反論できる問題ばかりを上手い具合に纏め上げて、都合の悪い点を無視している点は非常に気になる所ではありました。アメリカの政策が良いのは分かったが、その偏った正義感(イスラエル偏重等)に関して、日米同盟の重要性を説きつつ、沖縄基地問題スルー等。
 それと、あたかも歴史上に存在していたかの如く、前例無き自ら夢想する理想の国家・人民を日本として挙げられると、多少辟易としてしまうんですよねえ。
 2006年7月20日第1刷発行 ISBN:4166605240