『明治天皇 苦悩する「理想的君主」』読了

笠原英彦 中央公論新社中公新書) 309ページ 940円+税
 明治天皇のペリー来航から始まる幕末の混乱から明治時代にかけての生涯を、その実像に迫りながら記した書。明治天皇だけでなく、明治期の政治的混迷をも詳細に描いていて、其の時々の明治天皇の心境などをも知る事が出来ます。それと政治には関心を持ちながら、神事に関しては興味が薄く・・・むしろさぼり気味であったというのは衝撃的?
 先月読了した明治天皇の一日は本当に一日だけでしたが、明治天皇としての性格的な指摘は非常に被っておりましたが、一点気になったのは本書では学業のため早起きしたと記していたけど、「一日」では周りの者が更に早起きする必要があるので早起きはしなかったという記述があって、矛盾するんですよね。
 目次は、「幕末の政局と睦仁の降誕」「激動の中の即位と明治維新」「天皇権威確立と努力と挫折」「維新の宰相、大久保の政治指導」「伊藤首班の集団指導体制」「立憲制の確立と皇室制度の形成」「憲法の制定と立憲政治の開始」「議会政治の進展と日露戦争」「天皇の晩年と明治の終焉」tとなっています。
 2006年6月25日発行 ISBN:4121018494