『アメリカの原理主義』読了

河野博子 集英社集英社新書) 222ページ 680円+税
 社会の底流に迫り、アメリカの国民が抱える問題点を鋭く抉りつつ、アメリカという国を形作る要素を原理主義として紹介した書。極右、宗教右派に焦点を当てながら、日本では考えずらい程、妊娠中絶問題と同性結婚に大幅なページが割かれております。自由な国アメリカでは深刻且つ選挙結果に影響する程政治問題と位置付けられている事は、(ニュースなどで軽く触れられる程度だったので)驚きでした。脅迫事件どころか、殺人にまで発展するそうですからねえ。
 性の解放がアメリカは禁欲的になりつつあるのに、日本はその逆(むしろ懐古しつつある?)と言うのは面白い。元々日本は性に関して解放的と言われておりますからねえ。
 「われわれは非宗教的国家に生きているはずなのに、こと倫理問題になると、宗教的信条が顔を出す事にある」
 2006年7月19日第1刷発行 ISBN:4087203492