『日本とフランス 二つの民主主義』読了

薬師院仁志 光文社(光文社新書) 270ページ 740円+税
 民主主義を標榜する日本とフランス二国の現在の政治形態から、民主主義とは何かを読み解く書。自由主義や左翼・右翼に関して誤った理解が広がっている様を憂いつつ、日本の進むべき方向を思案すべく明示します・・・何気にフランス賛美と取れなくもなかったのですが、あとがきで敢えてそうしていると記されていたりもするんですがね。あまり知らないフランスの政治事情を知る事が出来たのは良かったかな。それと日本では派手に報道された暴動が、現地にいた著者の報告ではそれ程の出来事でもなかったりと、マスコミの過剰報道とのギャップが面白かった。
 ちなみに自分は日本人に民主主義は合わないと思っているが、それに変わる政体が思い付かんのですよねえ。
 目次は、「日本型「自由」偏重民主主義」「〈左翼〉が消えた日本」「日本型「珍」民主主義とアメリカの影」「日本型自由主義の死角」「フランス型「非自由」民主主義」「フランス型平等主義の限界」「なぜ、フランスはかくも不自由を求めるのか」となっています。
 2006年8月15日初版1刷発行 ISBN:4334033652