『かたき討ち 復讐の作法』読了

氏家幹人 中央公論新社中公新書) 276ページ 820円+税
 近世に行われた”かたき討ち”に関して様々な史料を用いて、どのような場合にかたき討ちが行われるのか、その作法や武士道とは一体なんなのか、失敗例等を交えながら紹介した書。なんちゅうか、芝居や映画などで幻想を持ちすぎると幻滅する、といった内容となっておりました。むしろ周りの人間は、一種の見世物として、かたき討ちを観戦したり、幕府もそれを利用(かたき討ちを奨励する訳ではないが)する等、かたき討ちとは何だったのか、と。
 目次は、「うわなり打」「さし腹」「太刀取」「衆道敵討」「おんな敵討」「敵持」「囲者」「もうひとつの武士道」「法と情」「将軍の質問」「妻敵討」「演劇的な、あまりに演劇的な」「帳付」「敵討の原像」となっています。
 2007年2月25日発行 ISBN:9784121018830