『魔帝の血脈 全4巻』読了

テリー・グッドカインド 【訳】佐田千織 早川書房(ハヤカワ文庫)
287+310+299+286ページ 各680円+税
 《真実の剣シリーズ》の第七部。ダークン・ラールの私生児二人をメインとした外伝的な話。メイン主人公であるリチャード達はほとんど登場せず、どちらかと言えば、至高秩序団側の組織が微妙に分かる内容となっておりました。後半になってからの無理なまとめ方は相変わらずですが、今回はちょっと無い程に酷かったかも・・・。
 何気、羽住都さんの挿絵が全くありませんでしたなあ。
 そう言えば、訳者解説で、このシリーズの第一部「魔導士の掟」が、サム・ライミによって長編ドラマ化される(されている?)と記されていたけど・・・内容的にSM要素強めで、グロ描写は信じられない程だし、輪姦とかあったりするのに大丈夫なのか?
 〈以下、ネタバレ〉
 主人公となる二人が、あまりに魅力が無さ過ぎて読んでいて不快になる事がしばしば。(仕方ないんだろうけど)一人は被害妄想過多な娘、もう一人はダークン・ラールの血を色濃く受け継ぐ残虐さを持った息子。勘違い娘に至っては、その勘違いが解消するのは最終巻の半分が過ぎてから・・・しかも、会話であっさりというあっけなさ。まあ、息子の最期には適いませんがね。
 それと、セバスチャンには、もっと活躍する方向に進んで欲しかった・・・ってか、本当に男が女々しくて弱い作品だよなあ、と。
1、「悲劇の子ら」:2007年8月20日印刷 2007年8月25日発行 ISBN:9784150204471
2、「沼地の呪術師」:2007年10月20日印刷 2007年10月25日発行 ISBN:9784150204532
3、「復讐をささやく声」:2007年12月10日印刷 2007年12月15日発行 ISBN:9784150204570
4、「宿命の邂逅」:2008年2月20日印刷 2008年2月25日発行 ISBN:9784150204617