『未成年』(上・下)読了

ドストエフスキー 【訳】工藤精一郎 新潮社(新潮文庫) 632+633ページ 各:781円+税
 この作品を読了した事で、ドストエフスキーの和訳されている作品は、ほぼ、長編は全て制覇! まあ、15年以上かかりましたがね。しかし、絶版となって、なかなか復刊されなかった理由が、よく分かりました。今まで読んだ長編の中では一番酷い・・・と、エピローグを読むまで、投げ出したくなるほど思っていたのですが、エピローグを読んで、主人公の手記という形で記された本文は、成年になりきれていない未成年の記した文章だと考え直せば、それは見事に表現されていたのではないだろうか、と。そう思えるまでに、1000ページ以上の苦痛を味わわなくてはなりませんがね。読んでいる本が面白くない時点で、読書を中断できる方にはオススメできません。とは言え、エピローグを読めば、カタルシスがある訳ではなくて、いっそう嫌な気分になるだけと言えなくもないのですがね。
上:昭和44年12月5日発行 平成20年7月1日19刷改版 ISBN:9784102010150
下:昭和44年12月5日発行 平成20年7月1日17刷改版 ISBN:9784102010167