『雪山飛狐』読了

金庸 【監修】岡崎由美 【訳】林久之 徳間書店(徳間文庫) 409ページ 800円+税
 明末、李自成の乱に端を発し、100年に渡って恩讐劇を繰り返していた4家の物語。金庸武侠小説にしては、珍しく一冊で完結しているのは、舞台がほぼ切立った山荘の上で行われ、そこに集まった面々が各々の過去を語って謎を解き明かすタイプの物語になっているためです。毎度の裏切りやら、勘違いやら、読書の中断は難しい作品となっておりました。しかも・・・。
 【ネタバレ】
 中途半端な状態で終わっていて、著者によれば読者に結末を想起させたかったらしい。
 一応、飛狐外伝という長編があるのですが、こちらは続編という訳ではなく、本作の主人公の過去を微妙に設定を変更して描いたアナザーストーリーだとか・・・ってか、『雪山飛狐』で終わりを知った状態で読むから、結局終わりがアレかと思うと、イライラしそうですな。
 この書籍は1999年2月に刊行されたものを文庫化したものです。
 2008年7月15日初刷 ISBN:9784198928117