『物語 フランス革命 バスチーユ陥落からナポレオン戴冠まで』読了

安達正勝 中央公論新社中公新書) 342ページ 920円+税
 1789年のバスチーユ襲撃から1804年のナポレオン戴冠までのフランス革命の流れを、革命に従事した人物のエピソードを交えて・・・むしろ主に記した書。ルイ16世の見直しなど非常に興味深く読み進める事が出来たのだけれど・・・途中で挿入された著者の死刑制度に対する決まりきった反対論にげんなりして、その後のジャコバン派の恐怖政治に関しても、冤罪で処刑された悲劇の女性など多々出す事で、死刑制度の野蛮性を訴えているとしか思えず、あまりの一方的さが残念。現在の死刑制度とフランス革命期の死刑制度を同列に語られてもなあ、と。ただし、これは主観でしか無いので、作品としては革命の流れを簡潔に分かりやすく記されておりフランス革命入門書としては良いかもしれません。
 目次は、「フランス革命とは」「「古き良き革命」の時代」「革命的動乱の時代へ」「国王の死」「ジャコバン政府の時代」「恐怖政治―革命政府の暗黒面」「ナポレオンの登場」となっています。
 2008年9月25日発行 ISBN:9784121019639