『長野業政』読了

野口泰彦 学陽書房(人物文庫) 450ページ 880円+税
 上州の戦国武将・長野業政の生涯。武田の侵攻から箕輪城を守り続けた名将・・・なんですけど、本書では、やたらと民衆の為の民衆政治を連呼して、むしろ宗教じみているのに辟易とする事もしばしばあって、内容は読み易く面白いだけに残念です。まあ、稀少な業政本ですしね。
 と言っても、後で原題を知って、合点したのですが、業政自体より、武田信玄山本勘助上泉信綱に主眼を置く事が多く、本書の2/3辺りで業政は亡くなってます。後は箕輪城陥落までが描かれています。まあ、その終盤も藤鶴姫がどうなったとか、信定と信玄の確執(?)なんてのを放り投げているのがなんとも惜しい限りでした。
 この書籍は2005年11月に上毛新聞社出版局より刊行された『是生滅法』を改題・文庫化です。
 2009年1月20日初版発行 ISBN:9784313752429