『三国志 第三巻』読了

宮城谷昌光 文藝春秋(文春文庫) 387ページ 600円+税
 宮城谷三国志(文庫版)の第三巻は、董卓が徐々に独裁へと突き進む過程と、曹操の挙兵もですが、孫堅の活躍に多く焦点が当てられて、やっとこ”三国志”っぽくなってまいりました。
 演義ではないため、董卓討伐戦も、だらだらと何もしない討伐戦となっておりました。それにしても、新たに登場人物が登場する度、その人物の過去や、あまつさえ関係した人の過去も語られるためなのか、なかなか話が進みませんなあ。
 何気、鮑信の扱いが、酷い扱いの演義と比して、格段に良くなって正史準拠みたいでした。劉備の下になかなか有能の武将が集まらないのは、関羽張飛が絶えず一緒にい続けるためというのはなんとなく納得。「まるで旨い酒を売っているのに猛犬がいるため客の寄り付かぬ店のよう」は、言い得て妙。
 この書籍は平成16年11月に刊行されたものの文庫化です。
 2009年10月10日第1刷 ISBN:9784167259235