『古城の風景I 菅沼の城 奥平の城 松平の城』読了

宮城谷昌光 新潮社(新潮文庫) 386ページ 552円+税
 戦国時代前期の古城(東海道方面のみ)を旅する城塞紀行。前半は、著者と編集の愉快なエピソードを交えた旅モノらしい雰囲気を醸し出していたのですが、後半になると其の知識を生かした歴史話・・・というよりも、城→その城に纏わる人物の家系図を説明、城の事跡を淡々と記すのみと、城の歴史紹介を読まされている気分になりました。
 春秋戦国など中国作品のイメージが強い著者で、数十冊読んでますが、日本の小説も著するのか、と軽い驚き。ただ、本書中でも随所(多くはないが)に垣間見られるけど、中国マンセー! 日本は文化国家としては・・・といった卑下した内容があるのは気になりました。
 この書籍は平成16年10月、平成17年9月に刊行されたものを合本改題した文庫化です。
 平成20年4月1日発行 ISBN:9784101444376