『村人の城・戦国大名の城 北条氏照の領国支配と城郭』読了

中田正光 洋泉社(歴史新書y) 254ページ 840円+税
 戦国時代の北条氏、中でも北条氏照に焦点を当てて、彼の支配する城郭の意味合いを分析して、氏照の領国支配を読み解く書。以前読んだ『百姓から見た戦国大名』での家督相続は、飢饉などの天変地異に対して、社会状況再建のため、新たな指導者を求める民衆の圧力によるものであると・・・ある意味、今の政治家にも聞かせたいような、どうせ聞かないようなことも取り上げられておりました。北条家のこの頃の農民は、戦国末期、江戸時代とは違うんです、という事を理解していないといけませんがね。
 目次は、「北条氏の領国支配と氏照の「地域国家」支配」「聖なる城・氏照の拠点滝山城」「境目の番城・「滝の城」と郷村支配」「年貢米の保管場所・沢山城と江ノ島」「甲武国境を守る檜原村武装集団」「甲武国境の逃亡者の「たまり場」―小河内村小菅村」「境目の城・津久井城と三増峠合戦」「氏照はなぜ八王子城へ移転したのか?」「城と避難場所、そして、疫病への恐怖」「「地域国家建設の夢破れる」となっています。
 2010年4月21日初版発行 ISBN:9784862485458