『楊令伝』(13巻、14巻、15巻)読了

 北方謙三 集英社集英社文庫) 390+390+388ページ 各600円+税
 これにて楊令伝も完結。童貫戦後の国、武将としての迷走は後々まで続いて、楊令の”国”と他の将校達の”国”の相違など、各キャラの思い描く”国”のあり方が語られるのでした。交易という観点は良いのだが、地理的な位置が微妙なんですよねえ、梁山泊は、色々と接点するには良なんですが
 って事で、楊令伝を読み始める前から、次のシリーズが岳飛であることを知っていたので、岳飛は死なない事が分っていて、一体楊令はどうなるのか、の一点のみが気になる戦闘が延々続く話となっておりました。
 そして、その結末は・・・これはない。いや、結末としては順当ではあるのだろうけど、うーむ、と。
 <以降、ネタバレ>
 前作である水滸伝で生き残った33人中、このシリーズを生き残って次のシリーズである『岳飛』に登場しそうなのは11人。死ぬことはなさそうだと思われていた内政チームが、洪水と言う手段で次々と亡くなってしまった。まあ、後半怒涛の死に様は原作を想起しなくもありませんでしたがね。昨年であったら刊行できなかったかもしれませんな。
 岳飛伝が文庫化されるのは、また5年位待たないと駄目かな。
 この書籍は2010年4月〜2010年10月に刊行されたものの文庫化です。
〈十三〉「青冥の章」:2012年6月30日第1刷 ISBN:9784087468403
〈十四〉「星歳の章」:2012年7月25日第1刷 ISBN:9784087468526
〈十五〉「天穹の章」:2012年8月25日第1刷 ISBN:9784087468656