『氷と炎の歌3 剣嵐の大地 全3巻』読了

ジョージ・R・R・マーティン 【訳】岡部宏之 早川書房(ハヤカワ文庫)
670+686+686ページ 各巻:1300円+税
 《氷と炎の歌シリーズ》第三部開幕・・・2部までの5分冊から三分冊と書籍が分厚くなって重たい。
 毎度記させて頂くが、ファンタジー小説ながらも中世歴史小説を読んでいる気分にさせてくれる本作。今作では北にも動きがあって、多少ファンタジー要素が強まりつつあるものの、基本は乱立する王達による戦争と暗闘、権力闘争絵巻でありました。えっ? と思う人物が殺されて退場するなど正義は負けるかの様な事変があったかと思えば、因果応報もあって、予断を許さない展開が続きます。各々の視点で描かれるというのは変わりませんが、主要人物なのに視点が無いのは死亡フラグでもあったんですな・・・って事は、視点のある人物は生き残る? と思っていたら、ある人物が死んで・・・生き返る?
 来る来る詐欺のドラゴン女王・デーナリスは、強力な軍隊を手に入れるものの、奴隷解放を選んでしまったが故にお荷物奴隷まで付いて来てしまって難儀するという困難に陥ってしまいます。結局狩猟民族的な行軍ではダメだと、国造りに入ってしまうのですが・・・。まあ、戻ってきた時にドラゴンが成長してくれていた方が盛り上がりそうではありますけどね。
 この書籍は、2006年11月に単行本として三分冊で刊行された作品を、文庫化したものです。登場人物名や用語を一新。
上:2012年10月20日印刷 2012年10月25日発行 ISBN:9784150118761
中:2012年10月20日印刷 2012年10月25日発行 ISBN:9784150118778
下:2012年10月20日印刷 2012年10月25日発行 ISBN:9784150118785