『中大兄皇子伝』(上・下)読了

 黒岩重吾 講談社講談社文庫) 373ページ+370ページ 各619円+税
 大化の改新の立役者・中大兄皇子(後の天智天皇)の生涯を回想形式で描きます。とは言え、蘇我入鹿を殺傷する上巻までは面白いんだけど、自らの帝位を脅かすものを次々と謀殺、欲望に溺れていく様が描かれた下巻は蛇足な気分です。とは言え、中臣鎌足との関係や、大海人皇子とのやり取りなど見所は満載。
 とは言え、中大兄皇子の弁を借りての著者の男性観、女性観、古代の夫婦のあり方がとても読んでいて痛かった。
 上:2004年5月15日第1刷発行 ISBN:4062747707
 下:2004年5月15日第1刷発行 ISBN:4062747715