『消滅する言語』読了

デイヴィッド・クリスタル [訳]斎藤兆史/三谷裕美 中央公論新社中公新書) 274ページ 880円+税
 消滅する言語の現状、何故保護する必要があるのか、消滅する事による影響、消滅させないための対策を記した書。翻訳という事もあってか、英単語の解釈にちと不可解な個所がある上に、先進国出身者ならではの独善が垣間見えます。そもそも言語が消滅しかかかっている民族は、言葉の保存よりも生活の保証こそ必要である、という事実を踏まえながらも、なお詭弁を振るうのが・・・
 まあ、自分が云々言うよりも、巻末の訳者あとがきを読むべきですね。通常、こういった解説やあとがきは、賛美するだけの読むに耐え難いものが多いんだけど、このあとがきは一歩引いた視点で冷静に語っているのがとても印象的。このあとがきを読めば十分内容理解が可能です。
 そんな感じで、ふと陰謀史観で穿ってみると日本の政治家や官僚達がやたらと英単語を使いたがるのは、英語を地球標準口語にしようとしている欧米人の手先と化しているからなのかなあと。
 2004年11月25日発行 ISBN:4121017749