『ジャーナリズムとしてのパパラッチ』読了

内田洋子 光文社(光文社新書) 230ページ 720円+税
 イタリアを発祥とするパパラッチ。実際にパパラッチとして活躍する人物や、彼らを使う側である編集者達のインタビューをメインに実情を紹介した書。インタビューを通してその人間性や報道姿勢を示す事でパパラッチへの悪意ある偏見を払拭しようという書籍にするつもりだったのやもしれませんが・・・私的には更なる嫌悪感を募らせるだけでした。報道の自由、芸能人は神格化せず自分達と同じ人間であると知らしめないといけない等、自己陶酔型の人間のなんと多い事か。病人は撮らない、子供は撮らない、など、それなりのルールを設けているように記されてはいますが、教会での世紀の発見となる写真を撮るため老神父を騙し、その神父がぐるだと疑われて左遷されてしまった事はスルーして悪びれない様は読んでいて痛かった。
 フォトビジネスに纏わる話などは非常に興味は持てたのですが、まとめがパパラッチになる方法だったのは・・・。
 2005年10月20日初版1刷発行 ISBN:433403327X