『ブレア時代のイギリス』読了

山口二郎 岩波書店岩波新書) 199ページ 700円+税
 1997年に首相となって以来のおよそ10年にわたる労働党ブレア首相の治世の功罪を経済、福祉、外交、様々な観点から記した書。イギリス政治を分かり易く解説するためにそれまでの政治の流れなども記されており、イギリス政治を知る上で参考となります。混沌しているとはいえ二大政党制が正常に機能している様は羨ましい限り。某国は・・・足の引っ張り合いに寄り合い所帯。向いていない制度なんだなあ、と実感。
 「新自由主義な政府による「生活のリスク」に対する無為無策が、「生存のリスク」の強調によって正当化されているのだ。」・・・とは言え、どこぞの国同様、対外不安を煽って、内政の不備から目をそらさせるのは変わらないんですなあ。
 目次は「ニューレバーの政権前夜」「福祉国家はよみがえったのか」「民主主義の危機と好機」「ニューレバーの外交政策」「ブレア政治の旧さと新しさ」「ポスト新自由主義時代の「左」と「右」」となっています。
 2005年11月18日第1刷発行 ISBN:4004309794