『メディア社会―現代を読み解く視点』読了

佐藤卓己 岩波書店岩波新書) 221ページ 740円+税
 現在に至るまでの歴史、問題点や本質を問うメディア論。メディアは本当に信じられる媒体なのか、不信感を植え付けるものは一体何なのか、メディアに関して腹蔵していた疑問点が氷解するような書でした。もちろんそれが正しい、正しくないは結局読む人間で判断するしか無いのですがね。ただし、一年間連載されていたものを纏めたという事で、情報やニュースが古めで、その数から散漫にも感じました。そう言えば、つい先日読了したアメリカの宇宙戦略にも軽く触れられておりました。
 目次は、「「メディア」とは何か」「「情報」とは何か」「メディアと「記憶」」「ジャーナリズムを取り巻く環境」「変わる「輿論」と世論調査」「メディア政治とドラマ選挙」「メディアの文化変容」「テレビのゆくえ」「脱情報化社会に向けて」となっています。「政策型報道」と「戦略報道」のあり方等は、ちと興味深かったです。
 この書籍は2004年11月1日から翌年11月2日まで『京都新聞』にて連載された「メディア論から時代を読む」を再編集した作品です。そのため、時代的に古かった事やら加筆修正されてます。
 2006年6月20日第1刷発行 ISBN:4004310229