『砂漠の狐 ロンメル将軍』読了

柘植久慶 PHP研究所PHP文庫) 292ページ 667円+税
 砂漠の狐と呼ばれた北アフリカ戦線の英雄・エルヴィン・ロンメルの生涯を解説した書。淡々と戦術から人物までを丁寧に描き、更に関係人物や兵器の詳細なども掲載されているのはポイント高いです。それにしても、ロンメルは戦術レベルでは天才的な用兵を行うけど、戦略・・・と言うか先見性、むしろ運はまるで無い事が良く分かりました。それと、たまたま直前に読んだ楊業が戦術・戦略レベルでは優秀という違いはあるけど、上層部に恵まれないため悲惨な最期を遂げるってのは同じでしたなあ。
 (一応)実際に様々な戦場を駆け巡った元軍人の著者が、その視点で注釈を入れるため、読書程度で語る付け焼刃な軍事解説よりはためになる・・・気がします。まあ、自分も戦争経験など無いので、正しいのか正しくないかは語れませんがね。いやさ、(多分)映画や読書、ニュースで得た知識でしかないだろうに、こんな綺麗な戦争は無いとか戦争のリアルさ云々言われると苦笑せざるを得ないんですよねえ。
 2006年7月19日第1版第1刷 ISBN:4569666671