『日本とドイツ 二つの全体主義「戦前思想」を書く』読了

仲正昌樹 光文社(光文社新書) 233ページ 740+税
 前著「戦後思想」の続巻。前著は、哲学や思想史の観点で全体主義から解放され、それぞれの道を思索していく日本とドイツの違いを描く内容でしたが、本著は戦前個々の思想から同様の全体主義へと突き進んでいく思想変遷が描かれておりました。
 まあ、哲学という分野では、ドイツに遠く及ばない日本の場合、なし崩し的に全体主義に流れた感が強いですがね。それと日本は、なんと言っても社会主義ですら妥協せざるをえない天皇制が非常に大きなウェイトを占めている事は分かります。ぶっちゃけ、哲学関連の記述が多いため、疲れた頭では理解するのが骨・・・と言うか、理解できない点も散見しとりました。
 2007年7月20日初版1刷発行 ISBN:433403361X