『私家版・ユダヤ文化論』読了

内田樹 文藝春秋(文春新書) 241ページ 750円+税
 文化論と記されていますが、どちらかと言えば迫害の歴史・サルトル等の思想から反ユダヤ思想を読み解く書。ユダヤ陰謀論がまかり通る程巨大な力を有していると思われてしまっている由来や、その契機をなるたけ分かり易く客観的に記している・・・のですが、後半は多少哲学に入り、ちと難解になっておりました。妙に責任逃れと言うのもなんですけど、「私の考えでは」「批判するんだったら・・・」といった記述は、文章的な逃げに思えてしまうのが、なんとも。
 目次は、「ユダヤ人とは誰のことか?」「日本人とユダヤ人」「反ユダヤ主義の生理と病理」「終わらない反ユダヤ主義」となっています。
 2006年(平成18年)7月20日第1刷発行 ISBN:4166605194