『孤将』読了

金薫 【訳】蓮池薫 新潮社(新潮文庫) 440ページ 667円+税
 壬申倭乱(文禄・慶長の役)で英雄として活躍した朝鮮王朝の将軍・李舜臣の後半生。訳者あとがきにも記されていますが、李舜臣をただ英雄視する作品なのかと思いきや、朝廷には不当な扱いをされるなど、孤独と不安に苛まれる姿が描かれます。
 李の一人称視点で描かれる文章は、妙に生々しいと言いましょうか、「生臭い」という単語が多々使用されて、臭うが如き内容となっていました。
 この書籍は2005年5月に刊行されたものを全面的な改訂を行った文庫化です。
 平成20年10月1日発行 ISBN:9784102169711