『疑似科学入門』読了

池内了 岩波書店岩波新書) 202ページ 700円+税
 エセ科学の蔓延する社会を憂えて、それらを最新の科学から論破する・・・ってな書かと思いきや、一部は科学的ながら、ほとんどが感情的に批判・批評して抽象的なものだから、説得力にかける嫌いがありました。
 作中「科学と非合理主義」の中で「傲慢なヨーロッパ中心主義ともつながっていった。自らの生活様式こそ合理的だとして「遅れた」地域に押しつけるという非合理が罷り通ったのである。」という文章は、まさに自虐なのかと思いましたよ。
 って事で、前半は首を傾げたくなる様な記載が多かったりしますけど、後半は同意できる箇所も多く、疑似科学入門として鑑みると正しい姿なのやもしれません。
 目次は、「科学の時代の非合理主義―第一種疑似科学」「科学の悪用・乱用―第二種疑似科学」「疑似科学はなぜはびこるのか」「科学が不得手とする問題―第三種疑似科学」「疑似科学の処方箋」となっています。
 2008年4月22日第1刷発行 ISBN:9784004311317