『史記 武帝紀』(1巻)読了

 北方謙三 角川春樹事務所(時代小説文庫) 409ページ 各600円+税
 前漢武帝時代、匈奴討伐の先兵・衛青、大月氏へ対匈奴同盟の為に派遣された張騫の武帝に仕える二人の物語が主軸となっておりました。
 特に後者の張騫は、途中匈奴に囚われるも、数年の雌伏を経て脱出、艱難辛苦の末に大月氏へ辿り着くも、結局同盟は・・・と、報われない。この巻では、衛青が武帝の期待に応えて三度目の戦勝を上げるまで、張騫は傷心で漢へ帰ろうとする所までが描かれておりました。
 それにしても、衛青の戦闘スタイルである少数精鋭の騎馬隊突貫、縦横無尽の指揮能力など、北方歴史小説では主役を飾る為のテンプレですなあ、と。馬に対する姿勢とか、また林冲かと思ってしまいましたよ。まあ、読んでいて一番気持ちよく、スカッとした勝ち方が出来るのが騎馬隊である以上仕方ないのかもしれませんけどね。対匈奴ですし。
 この書籍は2008年9月に刊行されたものの文庫化です。武帝の末期までやるのだろうか・・・読むの辛そうだけれど。
〈一〉:2013年4月18日第一刷発行 ISBN:9784758437264