『現代日本の問題集』読了

日垣隆 講談社講談社現代新書) 268ページ 720円+税
 まずは、この書籍に収録されている章毎のタイトルを羅列してみました。
 「日本を襲う九つの不安」「官尊民卑からの脱却」「カルト教団の暴走と忖度社会」「医療費の膨張と老後の不安」「ショッピング・リテラシーを身につける」「フリーエージェント社会へ」「動物との二十一世紀的つきあい」「新しいタイプの事件・事故」「イラク戦争のヴェトナム化」「危険地帯取材の是非」「北朝鮮とどうつきあうか」「いいかげんな実名報道と匿名報道」「凶悪犯罪はすべて起訴すべきである」「心身耗弱を廃止せよ」「恫喝的言論との訣別」「人権論の暴走」
 上記のタイトルを見て分かるように、後半になるに連れて内容も過激に、発言内容も過激になっています。一つの章で一冊の本にできる事柄を、一冊にまとめてしまっているため、個々に言いたい事は理解できるのですが、尻切れトンボ的に解決になっていなかったりします。まあ、むしろ問題提起するから後は自分で考えろ、と好意的に解釈する事もできます。
 反体制的であり、政治家、マスコミ、アメリカ批判が主になっています。そのまま妄信するのも難ですが、自分も感じていた不満が語られているのは読んでいて気持ちが良いです。特に報道関連の無責任さ、そしてそれを妄信する人間の多さに警鐘を鳴らしています。
 2004年6月20日第1刷発行 ISBN:406149726X