『子麻呂が奔る』読了

黒岩重吾 文藝春秋(文春新書) 339ページ 514円+税
 厩戸王子(聖徳太子)の官人・調首子麻呂を主人公とした飛鳥時代版捕物帖の第二弾。一つ一つの事件を連作としているシリーズですが、今作では冒頭に小野妹子の遣隋使関連の記事(出航、帰港等)を入れたり、蘇我馬子を登場させたりと無理矢理時代に絡ませてきました。
 でも、事件は相変わらずで、脳に下半身が付いているような事件とそれしか考えない子麻呂達という図式。しかも、奥さんが亡くなって子麻呂自体が抑制効かなくなっています。病人ばかりか、実の娘にまで欲情してどうするよ。そんな訳で、そんなシーンが無ければ面白いのだが、入った途端つまらなくなる。
 2004年8月10日第1刷 ISBN:4167182386