『関東大震災』読了

吉村昭 文藝春秋(文春文庫) 347ページ 543円+税
 大正12年9月1日午前11時58分、帝都を襲った大地震関東大震災を震災前の地震予知から震災後の死体処理までを克明に凄惨に描いた作品。災害時、流言によって多くの在日朝鮮人が虐殺された事は知識としてありましたが、その事実が詳細に記されており、また災害に乗じた犯罪や災害によって検閲が強化されたりする実態、それによって秘された軍の暴走が語られます。
 読了後、強い倦怠感に襲われました。人間の本質・・・と思いたくも言いたくも無いけど、大衆というものの愚かさを実感させられました・・・民度が高い国民は凄いもんですなあ。
 この書籍は、1977年8月に刊行されたものの新装版です。
 2004年8月10日新装版1刷 ISBN:416716941X