『刀狩り-武器を封印した民衆』読了

藤木久志 岩波書店岩波新書) 243ページ 780円+税
 日本で行われた三つの刀狩・・・秀吉の刀狩、明治の廃刀令、大戦後の武装解除に関して学術的に検証した書(初らしい)。と言っても、割合は4:1:1・・・むしろ、江戸時代の刀狩に関して多く記されているので、3:3:0.5:0.5ってな具合に戦国終焉期から江戸時代の刀狩がメインとなっておりました。廃刀令武装解除に関してはあわせて一章しかありませんので、そちらが気になる方は別の書籍を読むと良いでしょう。
 それにしても、刀狩、廃刀令と言っても、真実はほぼ帯刀を禁じたというだけで、士族だけではなく農民の多くが刀や脇指を大戦前まで持ち続けていたというのは驚きでした。巷で言われるような武器全てを没収したと言うのは、結局、大戦後のアメリカ占領時代にしか行われていないのですなあ。
 2005年8月19日第1刷発行 ISBN:4004309654