《新しい太陽の書シリーズ 全4巻》読了

ジーン・ウルフ 【訳】岡部宏之 早川書房(ハヤカワ文庫SF) 430+412+392+447ページ 各840円+税
 拷問者と恐れられる組織に属す青年が追放による旅を得て様々な苦境を乗り越えてついには・・・といった成長譚。
 読んでみたいと10年近く探し続けてほとんど諦めていた昨年、早川書房60周年記念リバイバル・フェアでめでたく復刊したシリーズ作品。冒頭からの流れは中世ファンタジーっぽい話かと思わせて、実は多少の哲学的要素を含んだSFであったというオチに繋がる傑作。
 中世ヨーロッパ及びSFの素養を、読者を試すかの如く必要とする程、世界観などの説明は皆無。毎巻のように世界観設定が著者自ら記されてますし、最終巻では訳者が親切にも著者自らに教示してもらっている事柄を注としている程です。
 久々に文字が細かく、詰まった内容の書籍であったがためにたった4冊の書籍に二週間近くかけてしまった。
①拷問者の影:1986年10月30日発行 2005年9月15日四刷 ISBN:4150106894
②調停者の鉤爪:1987年2月15日発行 2005年9月15日二刷 ISBN:4150107033
③警士の剣:1987年7月31日発行 2005年9月15日二刷 ISBN:4150107246
④独裁者の城塞:1988年3月31日発行 2005年9月15日二刷 ISBN:4150107637