『百姓から見た戦国大名』読了

黒田基樹 筑摩書房ちくま新書) 222ページ 700円+税
 戦国時代、大名と百姓との関係を民衆の視点から、その権力構造、システムを読み解いた書。隷属的な関係であったと思っていると驚かされる内容となっております。武田、北条の代替わりを「世を改める」意味合いに取り、むしろ飢饉等で民衆不安が広がると、大名は代替わりするという考え方は非常に興味深かったです。
 また、百姓だけではなく、国衆と大名との関係も記されているのですが「戦国大名と国衆との関係は、上下関係にある同盟関係のようなものであった。現代に照らせば、アメリカと日本の関係のようなもの」という表現は上手いと思った。戦国武将達の忠義のありかたが分かると思います・・・まあ、戦国時代中期頃までですがね。
 目次は、「代替わりと「世直し」」「飢饉と戦争の時代」「村の仕組みと戦争」「地域国家の展開」「大名と村が向き合う」「戦国大名構造改革」「大名の裁判と領国の平和」「戦争の時代の終わり」となっています。
 2006年9月10日第1刷発行 ISBN:4480063137