『インドネシア 多民族国家という宿命』読了

水本達也 中央公論新社中公新書) 273ページ 840円+税
 多民族国家として民主主義国家を標榜しつつ、独裁的国軍を有するジレンマを、インドネシア戦後史から6人の歴代大統領の事跡で記した書。ここ最近の歴史に重点を置き、政治から外交、宗教、民衆の生活まで幅広く取り上げておりました。あの未曾有のアチェでの大災害が内戦を回避する事になったというのも皮肉ですなあ。あのニュースの流れた頃にインドネシア軍の腐敗が多少は語られてましたけど、それ以外の認識って実は持ち合わせていなかった事を実感しました。
 それにしても、この書を読み終えるとスカルノスハルトの違いが分かるのですが・・・半年もしたら間違えそうですなあ。
 目次は、「老ジハーディストの独白」「民主化の果実と代償」「30年間の独立戦争多民族国家の苦悩)」「外交の舞台へ返り咲き」「脱スハルト時代のゆくえ」となっています。
 2006年12月20日発行 ISBN:4121018761