『歴史学の名著30』読了

山内昌之 筑摩書房ちくま新書) 269ページ 780円+税
 著者の選ぶ歴史書として代表的かつ名作30冊・・・イスラム関連が多くなるかと思っていたら、日本の比重は高いものの満遍なく――異論は多々ありそうではあるものの――概ね納得できる内容になっているのではないでしょうか・・・自分はそれ程歴史書を読んでおりませんし、下記に羅列した歴史書の中でそもそも初めて聞いた、なんて書籍もあるのでなんとも。ただ、北米・南米が皆無に近いので、ティトゥ・クシ・ユパンギ辺りがあったら良かったのになあ、と思ってみたりする。
 書籍によって、内容を詳細に記載したり、著者の思い出が語られていたり、その歴史書の著者の人生をクローズアップしたりと、記載内容が異なる為、オススメとは言い難いのがなんとも勿体無い。
 で、目次と取り上げられている歴史書は、
「I 歴史への問いかけ・・・『歴史』(ヘロドトス)、『戦史』(トゥキディデス)、『史記』(司馬遷)、『漢書』(班固)、『日本中世史』(原勝郎))、
「II 叙述の魅力・・・『ローマ帝国衰亡史』(ギボン)、『日本外史』(頼山陽)、『イタリア・ルネサンスの文化』(ブルクハルト)、『中世の秋』(ホイジンガ)、『地中海』(ブローデル)、〈付録〉『知恵の七柱』(ロレンス)」、
「III 歴史を見る眼・・・『愚管抄』(慈円)、『神皇正統記』(北畠親房)、『読史余論』(新井白石)、『大勢三転考』(伊達千広)、『世界史の流れ』(ランケ)、『東洋文化史』(内藤湖南)」、
「IV 歴史家の使命感・・・『春秋左氏伝』(?)、『史通』(劉知幾)、『アルファフリー』(イブン・アッティクタカー)、『歴史序説』(イブン・ハルドゥーン)、『歴史の研究』(トインビー)」、
「V 大変動のなかで・・・『ガリア戦記』(カエサル)、『ヴェトナム亡国史 他』(潘佩珠)、『ロシア革命史』(トロッキー)、『第二次世界大戦』(チャーチル)、〈付録〉『最終戦争論』(石原莞爾)」、
「VI 現代への視座・・・『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(ヴェーバー)、『科挙』(宮崎市定)、『父と子』(バーリン)、『監獄の誕生』(フーコー)、『無縁・公界・楽』(網野善彦)」となっています。
 2007年4月10日第1刷発行 ISBN:9784480063540