『秘曲 笑傲江湖』(全7巻)読了

 金庸 【監修】岡崎由美 【訳】小島瑞紀 徳間書店(徳間文庫) 453+445+441+397+401+357+394ページ 各800円+税
 一人の英傑・令狐冲の成長を、禁断の秘伝書「辟邪剣譜」を巡る正派と邪派の対立のみならず、派閥内での権力争い等を交えて描いた作品。金庸作品中では最も評価の高い作品らしいのですが・・・。畳み掛けるように誤解や謎が次々と展開して、読書を中断し辛いのは相変わらず。むしろ、自分はワクワクしながらと言うより、(師父への態度や岳霊珊とか)イライラしながらも、先が気になって読み続けました。
 《以降、ネタバレ》
 結末のあっけなさ(風呂敷の無理矢理畳む様)が残念。いやあ、話が壮大となって黒幕も倒して、最後はラスボス率いる軍勢との全面戦争開始・・・と思ったら、ラスボスが突然長年の苦労に耐えかねて死去→後を継いだのがラスボスの娘で主人公の恋人→全面戦争回避&結婚って、落胆させ過ぎです・・・つうか、クライマックスは、華山での闘いで終わっていたんですな。
 それと、既に二回ほどネタにしているので、こちらも→ツンデレ盈盈?東方不敗感想?
 あとがきの田中芳樹さんと岡崎由美さんの対談にも記されていたけど、著者の作品の傾向から自分も林平之が主人公かと思いました。
 この書籍は1998年4月〜10月に徳間書店より刊行されたものの文庫化です(原作は1967年)。
(一)「殺戮の序曲」:2007年6月15日初刷 ISBN:9784198926113
(二)「幻の旋律」:2007年7月15日初刷 ISBN:9784198926304
(三)「魔教の美姫」:2007年8月15日初刷 ISBN:9784198926434
(四)「天魔復活す」:2007年9月15日初刷 ISBN:9784198926595
(五)「少林寺襲撃」:2007年10月15日初刷 ISBN:9784198926779
(六)「妖人東方不敗」:2007年11月15日初刷 ISBN:9784198926908
(七)「鴛鴦の譜」:2007年12月15日初刷 ISBN:9784198927035