『戦国の兵法者―剣豪たちの源流とその系譜』読了

牧秀彦 学習研究社学研新書) 261ページ 780円+税
 戦国時代に生きた剣豪達の系譜や流派の解説、剣豪と戦国大名との関係を記した書。学研新書の創刊として、初っ端の章に昨年のNHK大河『風林火山』(本著刊行は2007年)の山本勘助を持ってきたり、NHK大河の話題を多めにしていたり、著者自身が殺陣/歴史考証を担当したとの事で『幕末機関説 いろはにほへと』というアニメ(アニメの内容には触れていませんが)のタイトルを出したりと、この手の書籍にあまり触れない方にも読み易い書となっておりました・・・まあ、関係あるかは分かりませんがね。
 しかし、兵法の流派等はともかく、一部の歴史記述に関して誤りと思われる箇所がチラホラ散見されるのが、初心者向けとは言えない気もしました。一番分かりやすいのは、関ヶ原での佐竹家の去就を「(当主である)義重が西軍に決めた」といった意味合いになっており、本来の当主である義宣なんて名すら出てません・・・まあ、本筋としては、佐竹家が西軍に付いた事が分かれば良いので瑣末な事なんですが、鬼義重好きとしては、ちょっと見逃せない記載なんですな。
 目次は、「山本勘助塚原卜伝」「戦国武将は兵法を極めた」「戦国大名と兵法者」「徳川家康と兵法者」「兵法者好きの細川三代」となっています。
 2007年7月11日第1刷発行 ISBN:9784054034631