『解離性障害―「うしろに誰かいる」の精神病理』読了

柴山雅俊 筑摩書房ちくま新書) 220ページ 700円+税
 患者の体験談を主に解離性同一障害を読み解いた書。どのような症状があるのか、その治療法は、と分かりやすく記してはありますが、もちろんネットや本だけで専門家にでもなったつもりで対処しようとしてはいけないのは当然です。なんでも、最近はその知識が正しいと思い込んでしまう方が散見されるらしくて、女性が患者の場合は、その彼氏とか。
 それにしても、体験例に女性が多いのは、女性がこの手の障害になりやすいと解くべきなのか、男性はプライドが邪魔でもして精神科に通う事に抵抗感が強い故なのか・・・ただ、この書籍を読んでいると、離人症状や夢中自己像視はともかく、自分もやばいのではないか、と思ってしまうのが怖い。頭の中のもやもやとかね。
 目次は、「解離性障害とはどういうものか」「解離以前の体験」「彼女たち(彼ら)はどのように感じているか―解離の主観的体験」「解離の構造」「外傷体験は解離にどのような影響を与えるか」「解離の周辺」「解離とこころ―宮沢賢治の体験世界」「解離への治療的接近」となっています。
 2007年9月10日第1刷発行 ISBN:9784480063830