『ホウ統』読了

立石優 PHP研究所PHP文庫) 333ページ 629円+税
 三国時代劉備の軍師として蜀侵略の先鋒を担ったホウ統(”ホウ”は漢字が表示できず)の生涯。演義の醜男設定を否定しつつ、その内容は正史と演義の出来事を混ぜたものとなっておりました。基本的には、ホウ統劉備の都合の悪い部分を改変して、ホウ統はあくまで名軍師であり、劉備は仁義を備えた名君でありました。その為、仕える為に劉備を訪問した際、劉備は留守で閑職を与えた(見る目がなかった)のは糜竺、とされてました。 
 そう言えば、「孔明と並び称された蜀の大軍師」と銘打たれているけれど、諸葛亮の本が「ホウ統と並び称された・・・」と記される事はありませんなあ。まあ、活躍具合から考えれば当然ではありますけどね。ただ、活躍具合から鑑みると、ホウ統よりも、まだ馬良の方が・・・って気がしなくもありませんがね。
 それにしても、「臥竜と凰雛どちらかを得れば天下を・・・」の文章を見ると、両方を得て尚天下を取れなかった劉備は、一体どれだけダメ君主だよ、と突っ込みたくなりますなあ。
 2008年1月24日第1版第1刷 ISBN:9784569669878