『ローマ人の物語38、39、40 キリストの勝利』(全3巻)読了

塩野七生 新潮社(新潮文庫) 209+179+143ページ 38:400円+税、39、40:362円+税
 キリスト教が、大帝コンスタンティヌスによって迫害対象から公認された前巻、時代はその息子達へ移行して、徐々にローマがキリスト教に侵食されていく様が描かれます。
 途中、背教者と断罪されるユリアヌスが、キリスト教排斥を行うも、時流には贖えず。今巻は、この不遇な皇帝にして哲学者ユリアヌスに、多くの筆を割いておりました。
 それにしても、相変わらずの外患の嵐で、ついにはフン族も登場・・・内憂が肥大化していく中、滅びの足音が聞こえてきました。
 で、次巻が最終巻となりそうで、例年通りでしたら9月頃刊行ですかね。
 ローマ史も終盤となって、滅びが近いのもありますが、多神教の華やかなイメージとは異なる一神教キリスト教の影響もあってか、読んでいて激しく閉塞感が漂って、三国志における三国鼎立後、水滸伝における108星集い後の読後感に通じるものがありました。
 この書籍は2005年12月に新潮社より刊行されたものを文庫化したものです。
38:平成22年9月1日発行 ISBN:9784101181882
39:平成22年9月1日発行 ISBN:9784101181899
40:平成22年9月1日発行 ISBN:9784101181905