『カラマーゾフの兄弟』(全3巻)読了

ドストエフスキー 【訳】原卓也 新潮社(新潮文庫) 509+466+517ページ 上・中:520円、下:560円
 再読。
 再読を続けた著者の長編中では、内容をほとんど忘れていた作品。判決の結果まで忘れていたのには吃驚でしたよ。むしろ、覚えていたシーンがほとんどありませんでした。15年以上経過するとは、そういうものか・・・。
 本来描かれるであろう壮大な物語の第一部という位置付けの本作は、著者が亡くなったため未完となってしまった作品。世間の名作という評価に対して、故に判断がしづらく、三兄弟のその後が描かれるであろうはずだった第二部を読んでこそ評価をしたかった作品。
 思想書でもありながら、ミステリーとして楽しめる作品でもあります。個々の人間の描かれ方が、土臭いと言うのもなんですけれど、個性溢れているのも魅力。
上:昭和53年7月20日発行 平成3年9月10日29刷 ISBN:4102010106
中:昭和53年7月20日発行 平成3年6月30日26刷 ISBN:4102010114
下:昭和53年7月20日発行 平成3年8月30日27刷 ISBN:4102010122