『楊令伝』(2巻、3巻、4巻)読了

 北方謙三 集英社集英社文庫) 395+395+397ページ 各600円+税
 幻王として建国間もない金を助力していた楊令が、新・梁山泊の頭領として宋打倒の旗を本格的に掲げて宋への戦いを開始する話。まあ、宋国自体が本格的に腐り始めていて、南では宗教叛乱としての方臘の乱が発生するのでした。前作での出番が無かったのはこのためだったんですな。その状況を確認する為、潜入していた呉用は方臘の底知れない魅力に惹かれて、公孫勝の救いの手を跳ね除けた訳ではないが、方臘の元に残ってしまうのでした。そんな魅力的に描かれる方臘に対して、微妙な扱いな王慶・・・田虎より扱い悪いな。
 って事で、燕雲十六州奪還と方臘討伐という、童貫率いる禁軍は二方面戦を強いられるのでした。また、童貫の元に未来の英傑・岳飛が配下に・・・って、『楊令伝』の次は『岳飛』とのことだけど、岳飛の立ち位置は一体どうなるのか、気になりますな。
 何気、耶律大石が登場してにやりとする展開もありました。
 この書籍は2007年7月〜2008年1月に刊行されたものの文庫化です。
〈二〉「辺烽の章」:2011年7月25日第1刷 ISBN:9784087467154
〈三〉「盤紆の章」:2011年8月25日第1刷 ISBN:9784087467277
〈四〉「雷霆の章」:2011年7月25日第1刷 ISBN:9784087467154