『氷と炎の歌4 乱鴉の饗宴 全2巻』読了

ジョージ・R・R・マーティン 【訳】岡部宏之 早川書房(ハヤカワ文庫)
877+894ページ 各巻:1500円+税
 《氷と炎の歌シリーズ》第四部開幕・・・相変わらず分厚くなって読むのが大変になっておりました。5分冊に戻してもらえないものか・・・。
 ファンタジー小説ながらも、中世歴史小説の趣を魅せる本作・・・でしたが、この第四部では、もともと三部の五年後の話となる次予定の五部が刊行される予定でしたが、補完する意味合いもあってなのか、商業的な意図があってなのか執筆されたと言う事で、本来の主人公格キャラではない人物達(一部除く)の視点で描かれており、内容も王都、ドーン、鉄諸島など地味な印象は拭えず、3部まであった疾走感が失われてしまっていたのは、なんとも残念でありました。もちろん、それでも高クオリティの面白さではあるのですが、如何せん人物としての魅力が・・・。
 《ネタバレ》
 急転直下で身分もプライドをも突き落とされるサーセイには、モヤモヤの溜まる展開が続いていただけにスカッとさせられるものの、やはり物語的には溜めの時期でしかありませんでした。一番気になるはずのジョン、ティリオンは全く描かれることもなく残念。バレバレながらも一応謎であった”石の心”に関しては正体が明かされてはおりましたがね。
 8月頃刊行の五部を単行本で購入してしまいそうです。
 この書籍は、2008年7月に単行本として二分冊で刊行された作品を、文庫化したものです。
上:2013年1月20日印刷 2013年1月25日発行 ISBN:9784150118877
下:2013年1月20日印刷 2013年1月25日発行 ISBN:9784150118884