『蕭何』読了

 加野厚志 PHP研究所PHP文庫) 348ページ 571円+税
 秦末、劉邦を補佐した名参謀・蕭何の生涯。「戦は兵站にあり」を信条に現地略奪を主とする項羽軍との差異を明確に描きます。蕭何が万能過ぎる事と、項羽の死で話が終わっているのが残念。漢成立後、粛清の嵐の場で、彼がどんな役回りをしていたのか全く描かれていないってのが物足りませんでした。特に蕭何が主役になるって事はほとんどありませんからねえ。
 まあ、ある意味とても地味な作品です。それと劉邦が寛容さを持った度量の大きな男ではなく、単に頭が回らなかっただけという結論はなかなか。
 2004年5月24日第1版第1刷 ISBN:456966167X