『黒祠の島』読了

小野不由美 祥伝社祥伝社新書) 472ページ 657円+税
 本を購入する際、自分は事前の評価や情報等をほとんど仕入れる事はありません。評価が高いからと購入する事も無く、ただ自らの直感頼りです。この書籍も当初は『屍鬼』のようなホラー小説かと購入、読み始めていました・・・が、閉鎖感漂う離島で起こる猟奇殺人モノではあるものの、普通のミステリー作品でした・・・残念。
 そもそもミステリー作品は――数年前に読まず嫌いはダメだと宮部みゆき作品や《囁きシリーズ》を読みましたが――基本的に《伊集院大介シリーズ》の中でも《天狼星シリーズ》と、《朱雀十五シリーズ》しか読みませんから、本格推理と記されても・・・。
 とまあ、関係ない話に終始していたのはミステリー作品でネタバレはちょっとあれかなと。
 って訳で、以降はネタバレです。
 結局、因習は変わらないという終わり方が、人の限界を見るようでした。と言うよりも、主人公が優秀な名探偵ではなく、単に民俗学等に詳しいだけみたいなのが、なんとも情けなく、それでいてらしくて良かった。
 しかし、小野不由美さんが生み出す女性は、大人の女性は魅力薄いけど、少女はうまく作られますなあ。『十二国記』の珠晶、『屍鬼』の沙子(吸血鬼だけど・・・)、『東亰異聞』の鞠乃(人形だけど・・・)。つうか、自分の琴線に触れるだけか。
 この作品は平成13年2月に新書として刊行されたものの文庫化です。
 平成16年6月20日初版第1刷発行 ISBN:4396331649