『二人のガスコン』(上・中・下)読了

佐藤賢一 講談社講談社文庫) 374ページ+391ページ+391ページ 各619円+税
 フランスを代表する二人の文学上の英雄、『三銃士』のダルタニャンと『シラノ・ド・ベルジュラック』のシラノにタッグを組ませ、ガスコンのエスプリのままに活躍する冒険譚。ルイ14世の出生の謎、鉄仮面を巡って、マザラン、オルレアン公と三つ巴の暗闘が描かれます。微妙に史実を交えた壮大で爽快な物語になっています――主要キャラ達が女々しい時があったりと、冗長に感じる箇所が無くもありませんでしたが――一人一人の内面を掘り下げて描かれているのがとても印象的です。『三銃士』と『シラノ』を読んでいると楽しめるんでしょうね・・・自分はあらすじ程度でちゃんと読んではおりません・・・失敗。
 とは言え、フランス近現代史作品を数多く著述されている著者の作品群の中では、毛色は異なるけど傑作と言っても過言ではないでしょう。
 この書籍は、2001年3月に刊行されたものの文庫化です。
上:2004年7月15日第一刷発行 ISBN:4062747685
中:2004年7月15日第一刷発行 ISBN:4062747669
下:2004年7月15日第一刷発行 ISBN:4062747693