『戦後史』読了

中村政則 岩波書店岩波新書) 294ページ+30ページ 840円+税
 大東亜侵略戦争後から2005年春までを、自らの体験を交えながら記した(本書内では貫戦史という言い方をしていますが)戦後史。基本的には60年間の政治や経済、外交や事件など批評を交えつつ記したものになっています。後半では、今後の日本のあり方、又、あの戦争は一体なんだったのかを、善悪二元論といった簡単な割り切り方をせずに分析しており、非常に興味深く読む事ができました・・・まあ、どちらかと言えば左翼思想かなとも思ってしまいますが、そういった単純な決め付けでは語れない書籍でもあります。
 民衆の苦労や頑張りを、政治家がどれだけ踏み潰しているかが描かれています。まあ、経済一流、政治三流で、出る杭は打たれないように見事にバランスを取っているとも言えますが・・・現在は経済もなんですけど。
 目次は、「「戦後史」をどのように描くか」「「戦後」の成立(1945〜1960年)」「「戦後」の基本的枠組みの定着(1960〜1973年)」「「戦後」のゆらぎ(1973〜1990年)」「「戦後」の終焉(1990〜2000年)」「新しい戦争の中で―「戦後」とは何だったのか」
 2005年7月20日第1刷発行 ISBN:4004309557